2008年10月22日

遠藤CP講演 その3

まったり進行中の遠藤CPの講演会のメモです。

大阪の舞台や登場人物、
それに偉大な脚本家藤本有紀さんについてです。

ほんとお待たせして申し訳ないです。

その2から続きです。

こっち側が落語世界、つまり福井世界から出て行って落語世界に飛び込むヒロインということで。落語世界とのコラボとあります、これはね、落語というのはね300年間伝えられて、詰まらない話は淘汰されているわけですよ、だから今生き残っている落語はみんな面白いわけですよね、これを借りない手は無いだろうということで、笑って泣ける人情話、朝ドラはね、本当は本流ですよそういった人情の話というのは朝ドラの本流だと思うのですけども、そういう話というのはそれこそ落語の中にあるだろうということで、落語のネタとか創作落語を交えてそれをストーリーに取り入れて作りますよと、いうようなことを当時考えたんです。

これ実は藤本さんと直前にやったブレーメンの音楽隊というのは、童話をたくさん使っていて、切り貼りして、童話の中の登場人物の名前とかバンバン引っ張って、それがちりとてちんを見てもらえれば分かるように、ブレーメンの時ものすごくうまくいったんですよ、「藤本さんの頭の中はどうなっとんだ」みたいな、こういうことは天才だなと思って、まあそういうことで今度は落語でやりましょうということが、このとき考えたことでした。
「幕末太陽傳」という映画あったのご存知ですか、ありがとうございます。フランキー堺さんが出ていた映画なんですけど、これも江戸落語をコラージュして描いた映画で非常に面白いので見てください、ああいう感じのものをやるんですよとプレゼンのときに言って。

落語世界、その中でも物語世界、落語の物語世界を朝ドラの中に再現します、街にあふれる人情、笑える登場人物たちみたいなことをドラマの中でもやりますよと。
それからさっき言った落語家の世界、今や徒弟制度が残ってる世界があるのかと、伝統芸能としても今どき徒弟制度かよ、今どき弟子入りかよみたいなことをやります。


ここに登場人物のメモがあります、これも見ていただきますと大分変わってます。
師匠、「上方四天王の一人、大酒飲みのエロジジイ」(観客爆笑)、当初ね当初エロジジイな予定だったんですね(会場から「喜代美の手を擦ってた」と指摘)ああ、すりすりしてる場面ありましたね、あのへんに生き残ってますね。
でもね渡瀬さんに決まった時点で、あんまりエロジジイじゃないだろうと(観客爆笑)、もうちょっとねエロジジイなつもりで当初は考えてたんですけれども、渡瀬さんがすりすりしてもね、あんまり腹が立たなかったんですね。(観客笑い)
なんかね別に、そうじゃねえなってことになりエロジジイ色は薄れていってしまったんですけれども、「落語は天才だが人としてダメ」(観客爆笑)

師匠と弟子についての話がありますよと、それから個性的な面々、兄弟子、姉弟子が書いてありますけど、当初はつまり弟子の中に女性がいて先輩落語家としているんだけれど考えたらね、これも、もうちょっと作っていく中でどうでもよくなってしまって、なんかいらないなみたいなことで消えてしまいました。弟子たちの結束、「長年売れない中年男の兄弟子」(観客爆笑)草原兄さん、当時の草原さんはこんなキャラでした。まあでも、一言で言うとそういうことじゃないですかね。(観客爆笑)これはプレゼンだから。まあ、つまり当初バラバラだった弟子たちが段々結束して本当の兄弟のようになっていくというストーリーを作りますというようなことが書いてあります。


一方こっち、伝統か革新か、古典落語をやるのか創作をやるのか、古き良きものとの現代の折り合いをどう付けるのかということがヒロインの悩みになっていきます。あらゆる古典に対する衝突を描くことになります「例えば朝ドラ」(観客爆笑)

こんなの新幹線の中でよく考えたな。でもね、つまり自分たちも朝ドラを作ることはですね、みなさんは朝ドラといえば十年一日、同じことやってるんじゃないかと思ってると思うのですが、我々は我々で毎回新しいもの作ろう作ろうと思って、ものすごい一生懸命なんですよ、これでも。これでもは要りませんね。(観客笑い)
本当に一生懸命なんですよ、どうやって新しくするかということを無い知恵絞って、いろいろ考えて絶対これで楽しんでもらえるはずだと、あれでも出してるんですよ、まあ何作かに1作「どうしてこんなの出来ちゃったんだろう」(観客笑い)
また失言をしてしまいました。(観客笑い)


この端っこの方にですね、落語家への道、内弟子修行、ボロボロ初舞台、TVレポーターなどの仕事、弟子たちで何か成し遂げ、自分を題材にした新作、結婚。(観客感嘆と拍手)拍手なんですか?(観客笑い)みたいなことが書いてあります。だから、おおよそこんなことがストーリーのメインになっていくでしょうと、いうようなことをプレゼンしようと思って書いてあるわけですね。

お分かりいただけた通りですね、だいたいこの時点で話の大まかな枠組みというのは、ここからほとんど変わっていません。
これをドラマ部でプレゼンしまして、「だいたいこんな感じでいけるだろう」とか「お母ちゃんを軸にするなら配役がんばれよ」とかアドバイスをもらって取り掛かったわけですね。

先ほどの合宿で、合宿のときってね不謹慎な会話がいろいろ飛び交うんですよ、不謹慎というのは「この辺で師匠死んじゃった方がいいじゃないの」とか(観客爆笑)「いや、ここで死んだら早いだろう、もうちょっとこの辺で死んだほうがドラマチックだ」みたいな。「おじいさんはどこまで生きてればいいんだ?」(観客笑い)そういう人として許されない会話がたくさん交わすんですけど、「ここで、この人とこの人が不倫するのはどう?」とか「不倫はどうかな」、「いやこの辺だったらありかな」とかね。
「出来ちゃった結婚だろう」と言えば、「『出来ちゃった結婚』と言う言葉はよくないと思います」、「ああ、それいいですね、それセリフにしましょう」(観客笑い)そういうあまり人には聞かせられない会話があります。

そのときねあれなんですよ僕らはこう、自分の体験とか何でもかんでも話すわけですよ。
実はですね我が家は、母親が食事すると「ああ、お茶が怖い」と言うんですね。(観客笑い)時々ね「いま、なんどきだ」とかいうんですね。別に母はですね落語好きではないんですよ、ただ、この年代の人たちって教養としてこういう落語があって、こういう話題で、こういうオチがあるというのは知ってるんですね。母が、ああお茶が怖いと言うと母の友達とかいう人たちにはみんな通じるんですよ。僕そいういう家に育ったもんで日本中で通じると思っていたんですね。
自分も結婚しまして、「あーお茶が怖い」と言ったら「どうして怖いの!?(妻)」と訊かれ(観客爆笑)そこで、これは通じないんだなと分かったような家だったんですよ。そのときに落語というのがみんなの共通の教養あるという状態はとてもいいなと、ちょっと思いまして、みんなが落語に出会って良くないことって、あんまり思いつかないじゃないですか。

食事が終わったときに「あー、お茶が怖い」と言ったらクスっと笑えるみたいなのは、ちょっと良いなと思って、それで「『饅頭怖い』は入れてくださいね」(観客笑い)というどうでもいい会話を交わしたりとか。

あとねやっぱり、自分の母親に「どういうことになってもかまわないけど、自分より先に死んではいかん」ということをすごい言う親だったんですよ「それは最大の親不孝である」それは言われてるときには、あんまり実感として沸かなかったんですが、子供が出来て、例えば子供が重い病気に罹ったりしたことがあったんですが、そのときにね本当に「順番守れよ!」と思うんですよ。これを守らないということは本当に大変なことだなとか、これは酷いなっていうか、これは親に対して本当に申し訳ないなということを、子供持ったらすごい思ったんですね。

そういう話も藤本さんとして「やっぱり順番守らないとダメですよね」なんて言ったら、そういうセリフも入ってて「ああ、うまいなあ」と思ったんですね。

後ですね、自分の話で台本に入れていただいた話で、さっきの饅頭怖いで出たうちの妻ですね、新婚当初よくケンカするわけですよ、どうでもいいことでケンカになるんですね。である日ですね、どうやらケンカになる理由の単語がお互いに1個ずつあることに気付いたんですね。(観客爆笑)これを言わないようにしたらいいんじゃないかと、そういう結論に二人で達しまして、インスタントコーヒーのビン、(観客笑い)机の真ん中に置いてお互いそれを言ったら500円入れようということにしたんですよ。これがね、あっという間に貯まるんですよ。(観客笑い)
とにかく1ビン貯まった頃にようやく、それが原因でケンカすることは段々無くなって、二人でこのビンを抱えて近くのフランス料理屋に行って、フランス料理食べて、でジャラーッと払って(観客爆笑)、帰りながら、僕らすごい貧乏だと思われてるよね(観客爆笑)なんて会話を交わしながら帰ったなんて話をやっぱり藤本さんにしましたら、藤本さんが「そういう落語あるのしってます?」って「いえ知りません」と言ったら、「二人癖というのがあるんですよ、さすがに貯金はしませんけど、禁句を決めて賭けるという(藤本)」、「へー、そんな落語あるんだ(遠藤)」と思ってたら、藤本さんセリフに書いてて、二人で禁句を決めて貯金するという話が出てて「ああ怖い」って(観客爆笑)、この話が出たとき迷ったんですよ、「これオンエアになったら妻に怒られるなあ…」(観客爆笑)、妻には怒られなかったんですが、姉から電話が来まして「お前は家族アルバム作ってるのか」(観客爆笑)、「番組を私物化するな(姉)」、私物化っていや「裸になってドラマ作ってるんだよ(遠藤)」と。

さっき言いかけたのが何だったかといいますと、こんなふうな話しにしましょうという話をしていくわけですよ、その後藤本さんが何週間か掛けて26週分を書いて頂いたんですけれども、僕いろんなところで話しているんですけれど、それがほぼ完成形のちりとてちんの話通りでして、これはね朝ドラでは非常に珍しいことなんですよ。
最初はこういうふうに進みますと思ってても、この役者さんがいいからもっと膨らまそうよとか、逆の場合もありますけど(観客笑い)、なんかスケジュールがちょっと、じゃあスペインに行ってもらいましょう(観客爆笑)、だったりするんですけれども、藤本さんの書かれたプロットではですね、もう13週の終わりで壁を蹴破ってプロポーズしますと、14週で結婚式をします、16週で出来ちゃった結婚をして、17週ではたちぎれ線香を切っ掛けにお母さんたちが仲直りをしますと、みんな書いてありました。
だから最初からセット建てるときにセットデザイナーの山ちゃん、1番デザイナーに、この草若邸が最終的にはこういう風にひぐらし亭になりますというプランが一番最初に出来てるんです。二人の住んでいる部屋の壁も壊しやすようにみたいな(観客爆笑)。
こんなことは、なかなか無いことです、みなさんもすごいと思って下さると思うのですが、最初のプランニングというのが、あまりに完璧でだから逆に動かせないんですよ全然、つまり「藤本さん、このシーンこの回に無いほうがいいんじゃないですかね?」なんてことを言おうものなら「それはですね、2週間後のこのシーンに繋がってて、ここに無いとダメなんですね」「ああー、そうか!」(観客笑い)
「そうでしたか、そうですね。でもこのシーンはもうちょっとこうやってもいいんじゃないですかね、こんな話とかあったらどうですかね?」、「いや、このシーンは前のシーンからこういうふうに繋がってるんで、そこまでやっちゃダメなんです」「ああ、そうか、ここは!!!」みたいな(観客爆笑)、そんなことを日々やりながら作ってたんで、でも、そうはいっても藤本さんが頭から終わりまでガッチリとやって誰の意見も取り入れなかったということは無いんですが、基本的なラインはほとんど全て藤本さんが考えてくれた通りになりました。
そのことが良かったの悪かったのかは分からないんですけれども(苦笑するCP)、けど僕らとしてはですね、最初やりたいと思ったことが実現できたと思ったからこそ、すごく一生懸命、最後まで作り込んだドラマが作れましたし、今ここへ来てくれた方はそういうことを楽しんで頂けたんじゃないかなと、思いっております、はい。
えーだいたい、そうこう言って一時間くらい経ちました。ちょっと質疑の時間を取りたいと思うんですけれども、その前に10分くらいビデオでも見ようかなと(一同拍手)思っていたんですけども、こういうメンバーなら、もうみんな見てますよね。
(会場からは「一緒に見たい」との声)
「そうですね(遠藤)」、これはちりとてちんを作った最初の頃の10分くらいのメイキングですが、そんなことで作ったんだなということでもう一回見て頂ければなと思います。
ではVTR流します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜


このあとメイキング上映やら、質疑応答になります。
ここまででなんとか3分の2はクリアしたでしょうか

つづきはまた来週、だんだん…

ではなく今週中にup出来るようぎゃんばります。


ということで、その4はこちらからどうぞ。

posted by そまり at 01:23| Comment(10) | TrackBack(0) | ちりとてちん関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当にだんだんです。
遠藤CPの息づかいが伝わってきます。自分もその場にいたような気持ちになっています。幸せです。
本当に本当にだんだん。
Posted by しがず at 2008年10月22日 04:17
そまりさん今日は

力作も2/3までやってきましたかm(__)m。
ご苦労様です。

初期プロットでほぼ完成型とは・・・・確かに凄い。
小梅さんのスペイン行き、行かなければ堂島百貨店絡みのエピを設定できませんから・・・・必然なんですね。


Posted by レイニー at 2008年10月22日 09:07
今回も楽しませていただきました。いかぐし貯金箱のエピがまさか遠藤さんご夫婦の実話だったとはおどろきです。それにしても藤本さんという脚本家は すごいかたですね。深いです。すばらしいとしか言いようがありません。またDVDが見たくなりました。
そまり様 つづきは来週でもかまいません。楽しみに待ってます。
Posted by ハチコ at 2008年10月22日 20:04
はじめまして。
だんだん!
失言大王に、気持ちよく笑わせていただいてます(^ー^)
Posted by そま美 at 2008年10月22日 21:50
しがずさん、こんばんは〜

私は遠藤さんのお話を直に聞くことができて本当に幸せでした。だからこそ無礼を承知で言えば、その会場があんな小さな場所だったことが残念でした。
まあとにかく遠藤さんの素晴らしいお話を私一人の胸の中に収めておくことは出来なかったという次第です。

Posted by そまり at 2008年10月22日 22:46
レイニーさん、こんばんは〜

どんな天災があったとしても、それも全てドラマにしてしまう藤本さんは魔法の手を持っているとしか思えないですよね。

ホントすごすぎですね。

Posted by そまり at 2008年10月22日 22:56
ハチコさん、こんばんは〜

>いかぐし貯金箱のエピがまさか遠藤さんご夫婦の実話だったとはおどろきです。

そうそう私もビックリでした、でも、もっとたくさんのエピが遠藤さんの家族アルバムだったのかもしれませんね〜。
まあとにかく改めて藤本さんが底抜けにすごかった事を思い知らされましたです。

Posted by そまり at 2008年10月22日 23:06
そま美さん、初めまして〜
ようこそのお運びありがとうございます。

遠藤さんのお話の楽しさを、いくらかでもお伝え出来たとしたら嬉しいですね。(^^

Posted by そまり at 2008年10月22日 23:14
こんばんは、そまりさん。

ついに最高裁で勝訴を勝ち取られましたか!!おめでとうございます。

おまけに最高裁での判決文、このように詳細にお披露目して下さって、ほんとうにありがとうございました。これだけ詳しいレポート、驚愕の極みです。ひょっとそまりさんは速記の達人でしょうか?

目の前で遠藤さんがあの顔で、あの声で喋っているようで。
Posted by 順ちゃんの夫 at 2008年10月22日 23:33
順ちゃんの夫さん、こんばんは〜

そうですね、遠藤さんのお話の内容は確かに勝訴でしたね。やはり勝訴判決はみなさんと共有したかったので。(^^

>ひょっとそまりさんは速記の達人でしょうか?

いえいえ、そんなことはないんですが、なぜか宇宙ステーションからの通信が聞こえるだけです、なんて。(^^;

Posted by そまり at 2008年10月23日 18:39
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